DEF LEPPARDのCD

High 'n' Dry
PYROMANIA
Hysteria
.s.l.a.n.g.
EUPHORIA
X
BEST OF
BEST OF THE VIDEO

High 'n' Dry
1. LET IT GO 2. ANOTHER HIT AND RUN 3. HIGH 'N' DRY (SATURDAY NIGHT)
4. BRINGIN' ON THE HEARTBREAK 5. SWITCH 625 6. YOU GOT ME RUNNIN'
7. LADY STRANGE 8. ON THROUGH THE NIGHT 9. MIRROR , MIRROR (LOOK INTO MY EYES)
10. NO NO NO 11. BRINGIN' ON THE HEARTBREAK (REMIX) 12. ME & MY WINE (REMIX)

81.08.25(81.07.21)

評価:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 10

簡単にプログレッシヴロックと言う評価はつけたくは無いが(プログレッシブと言う評価は本人に失礼かもしれないので)、 時代性を抜きにしても ある意味本当の意味でプログレッシヴロックであると言いたいアルバムである。

元々プログレッシヴとは前衛的という意味である。
自分らであるロックンロールを新しい形で提示しつづけてきたバンドであろう。

たいしたレコーディング機材がなかったこの時代の作品を今現在に聴いて尊敬する。
メロディの良さ、リフの良さ、プレイの良さ、展開のおもしろさ、バンドの良さが全部見える。
バンドプレイの巧さに恐れ入ります。曲作りからプレイから録音まで

90年代のHR/HMへとつながる流れがここにもありました。
HR/HMの一種の基本でもあるマイナーの音使いが奇妙なノスタルジック感と昂揚感を 掻き立ててくれます。
体はノリノリで動くのに溜まり溜まった負の悲しい感情がこみ上げてくる。

リリース当時は現在のリードギターフィルコリンではなくピートウイルスというギタリストでした。
再発版はボーナストラックとしてフィルのギターで再録されたBRINGIN' ON THE HEARTBREAKが入っているところも 生唾もの。

ガンズとどっちがアグレッシヴかといったら同じくらいアグレッシヴ。
確かに名盤と呼ばれるものではない。ただ僕にはこれがツボなんです。

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PYROMANIA
1. ROCK ROCK (till you drop) 2. PHOTOGRAPH 3. STAGEFRIGHT 4. TOO LATE FOR LOVE
5. DIE HARD THE HUNTER 6. FOOLIN' 7. ROCK OF AGES 8. COMIN' UNDER FIRE
9. ACTION NOT WORDS 10. BILLY'S GOT A GUN

83.01

評価:☆☆☆☆☆☆☆☆☆★ 9

2曲目PHOTOGRAPHのメロディのあまりの美しさに聞き入ってしまった。
83年発表、ピートウイルスがアルコール依存のため解雇、新しいギタリストPHIL COLLENを迎えての3rdアルバム(このときフィルは作曲者名にクレジットされていない)。
デフレパードを語る上ではずすことのできない最重要アルバム。
デフレパードを初めて買う人にもこのアルバムをお奨めします。

何がすごいって美しい。こんなに荒々く美しいロックアルバムは聴いたことが無い。
レコーディングに10ヶ月かけ100回のギター録音と100回のボーカル録音洗練されたシャープな サウンドが特徴的。

どことない物悲しさが印象的。
美しすぎてハードなツインギター。叫ぶJoeElliott
700万枚を売り切ったモンスターアルバム。
売れるアルバムが良いと言うわけではないがこりゃ売れる。
今は亡きSteveClarkのメロディセンスとリフセンスが光る。
この奇妙でハードで無骨で気持ち悪そうでそーでもなく紐解くとシンプルなギターリフは未だ追随を許さず。

享年30歳オフィシャルサイトの彼の笑顔の写真が涙をそそります。

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HYSTERIA
1. WOMEN 2. ROCKET 3. ANIMAL 4. LOVE BITES 5. POUR SOME SUGER ON ME
6. ARMAGEDDON IT 7. GODS OF WAR 8. DON'T SHOOT SHOTGUN 9. RUN RIOT
10. HYSTERIA 11. EXCITABLE 12. LOVE AND AFFECTION
13.LOVE AND AFFECTION (LIVE)

87.08.03

評価:☆☆☆☆☆★★★★★ 5

非常に緻密な作り。
良質のスタジオアルバム。むしろ最高かもしれない。
84年のクリスマス休暇中ドラムのリックアレンが交通事故で片腕を失ってしまうなどの アクシデントが重なり結果的に4th HYSTERIAの製作に3年のかかってしまう。
長いスタジオ生活のためライブ感が無くなってしまった感はあるが、スタジオアルバムとしてはこれぞ!というものである。

何本も重ねられたギターサウンド、効果音やエフェクトを積極的に取り入れ、幾重にも重なる ボーカルコーラスサウンドハーモニーが美しい。
スタジオの最新技術による構造美、幾重にも重ねられたサウンド一つ一つが放つ立体感、衝撃をもって 光を感じるアレンジ。ロックシーンに大きな意義をもたらしたモンスターアルバム。
このアルバムも1500万枚を売り上げている。売れるものが良いものと言うわけではないが。
もうこのバンドについてはメロディが良いなんて言葉は当然過ぎて必要ない。
細かいところの音が僕に絶望感を与える。なぜなら僕にはこんなすばらしいアイデアが浮かばないから。

しかし圧巻なのはアルバムHYSTERIAではない。
当時のライブである(今のもすごい)。
奇跡(といっては安いが)のカムバックを果たしたリックアレンのドラミングである。
バンドのステージである。

感動を衝撃を持ってまざまざと突きつけられた。
片腕ドラムのテクニックの素晴らしさをたたえるつもりは無いが、すさまじいものであった。
高校時代に初めてライブビデオを見たときはしばらく言葉を失い、物心ついた頃から一度足りて 涙を流したことの無い僕の涙腺が緩んだのである。

このアルバムがSteveClark最後の参加作品。
6曲目ARMAGEDDON ITのフィルのソロ前、ジョーの"Com'on stevie!"の掛け声に続く 簡単なギターリフ(ソロ?)もバンドマンとしては楽しい。
リフがクソかっけー!作り方が巧い!
やっぱこのバンドはプログレッシヴだと言いたい。
↑Top


.s.l.a.n.g.
DISK1 .s.l.a.n.g
1. TRUTH? 2. TURN TO DUST 3. slang 4. ALL I WANT IS EVERYTHING 5. WORK IT OUT
6. BREATHE A SIGH 7. DELIVER ME 8. GIFT OF FLESH 9. BLOOD RUNS COLD
10. WHERE DOES LOVE GO WHEN IT DIES 11. PEARL OF EUPHORIA
12. MOVE WITH ME SLOWLY(Extra Only Japan)

DISK2 Acoustic In Singapore
1. ARMAGEDDON IT 2. TWO STEPS BEHIND 3. FROM THE INSIDE 4. ANIMAL
5. WHEN LOVE & HATE COLLIDE 6. POUR SOME SUGAR ON ME

96.05.10

評価:☆☆☆☆☆☆☆☆☆★ 9

レップスファンの期待を見事に裏切った衝撃の問題作。
得意の重厚なギターハーモニー、コーラスワーク、スタジオのビックプロダクション、
今まで築き挙げた全てが払拭され、オルタナティヴな香りエスニックでサイケデリックな奇妙な空間が支配している。
まるでレップスとは思えないサウンド。

おまえらバカか、このサウンドのどこがレップスで無いんだ!?
こんなにすばらしい作品がレップス以外に作れるか!?

当時としては衝撃を受け絶望に打ちひしがれただろう。さぁ今こそ再び.s.l.a.n.g.の蓋を開けるのだ。がははー。

この表現力の力強さ、アイデアの斬新性、サウンドのボリュームであっといわせるのではなく、演出ではないバンド自体の それがすさまじい。
デフレパードの歴史でこれほどまでに人間的なサウンドがあっただろうか、彼らの悲しみ苦悩、それを乗り越えようとした 想像することもできない大きなパワーが込められている。

有名な話しだが、レップスのレコーディングは異常である。ひとりひとりのスタジオワークで個別に音を重ね合わせていく。
パイロマニアの項にも書いたが、何ヶ月も同じギターリフを弾き続け、コーラスもベースもドラムも。外は雨なんだか晴れなんだかわかならい。 完璧なものを作り上げるのだ。あまりにも長く過酷なスタジオワーク。

今回スラングではスペインのリゾート地のあるスタジオを借り、時計代わりに窓から海を眺めながら夏合宿のようなのりで 曲作りとレコーディングに臨んでいるとのこと。
バンドである彼らのサウンドが詰まっている。

このアルバムは非常に奥深い。
曲作りの中心であったスティーブクラークが逝去した今、バンドが変革を迫られていたのかもしれない。
スラングレコーディングの最中に過去のレップスベスト「VAULT」が発表されたのは80年代のバンドイメージにピリオドを打つ必要があったのかもしれない。
リックアレンがエレクトリックドラムからアコースティックドラムに戻したことも興味深い。ジョーエリオットのシャウトでは得られなかった歌詞の説得力。
2枚目に収められてるシンガポールでのアコースティックライブは売上を少しでも伸ばすための伏線を張る意味でのものかもしれない。
ちなみにライブCDの演奏、アレンジのクオリティは気を失いそうなくらいすばらしい。

音楽に対する彼らの前向きな創造性を伺うことが出来る。この作品が無かったら今のデフレパードはない、と断言できるほどの 非常に重要なアルバムであり、必要なアルバムである、と同時に発表から10年経った今でもシーンに新しい風を吹かせることの出来る ほどのすばらしいアルバムである。
ジャケットのアートワークを含めかなりの秀作!
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EUPHORIA
1. DEMOLITION MAN 2. PROMISES 3. BACK IN YOUR FACE 4. GOODBYE 5. ALL NIGHT
6. PAPER SUN 7. IT'S ONLY LOVE 8. 21st CENTURY SHA LA LA LA GIRL 9. TO BE ALIVE
10. DISINTEGRATE 11. GUILTY 12. DAY AFTER DAY 13. KINGS OF OBLIVION 14. I AM YOUR CHILD


99.06.02

評価:☆☆☆★★★★★★★ 3

時代が求めていたレップスサウンドここにあり。
前作、slangで大きな商業的失敗を教訓にか、かつてのレップスを周到した これぞレップスサウンドここにあり。

確かに時代はこれを求めてる、間違いない。ただ僕はこれを求めてはいなかった。
ここはあくまで私のレビューなのでしょこんとこよろしく、

ただ、必聴どころは確実に存在する。
前作slangで手に入れた人間的なサウンドの表現方法、必ずしも良からず。
#7、21st CENTURY BOY(T-REX)を意識したかのようなタイトル。(浦沢直樹が好きなので当然気になる。)
これから迎える21世紀のレップスのあり方をイメージしたのか、ハードロッカーには受ける。僕にも受ける。
#11 このアルバム中、数少ない名曲、スティーブクラークを思い出したくなる心地よいコード進行。もの悲しいメロディ。
PHOTOGRAPHにも劣らないすばらしい作り方だ。21世紀の音でこれを再来させている。涙が出そうなほど美しい。
#2 PROMISESにPHOTOGRAPHと同じコード進行を使ったのは失敗である。このアルバム最大の失策である。
しかし、この曲(#2)がクローズアップされ、レップスは再度シーンに返り咲いたのである。

アルバム全体的に落ち着いた印象。アルバムの前半は私は嫌いである。
ただ、後半、これからのレップスがどうあるべきか、今までの成功と失敗と、手に入れてきたものは何なのか
非常に自分たちがよくわかっているサウンドだと感じる。
確かに後半部分がアルバムの最初に収録されていたら売れなかっただろう。
前半部分こそシーンに返り咲くレップに必要な要素なのだ。
さすがはレコード会社、よくわかっている。売れなきゃ元も子もない。

そう、真の必聴どころは後半なのだ!!
ファンじゃない人はこのアルバムは絶対買うべし。
僕はリアルタイムじゃないファンだからこのアルバムは好きになれないけど、
変な思い入れがない分、最高に楽しめるアルバムです。
リアルタイムのファンもこれは好きなはず!

そして幸か不幸か狙ってか狙わずか、このアルバムが発表されたことによってslangの位置付けも明確に、より意味のあるものに なったわけだ。
非常に作りこまれたサウンド、音一つ一つ全部拾ってみてください。
確実に幸福が訪れます。
レップの"IA"シリーズの話はご存知だろうか、
PYROMANIA
HYSTERIA
そして本作、EUPHORIA(幸福)
である。最後2文字が"IA"で終わってるのである。
何が言いたいかということは長くなるので割愛する。
知りたければこのアルバム買って「MASA ITOH」のレビュでも読んでみると良い。
そして彼の書いたレビュの最後に僕のレビュを付け足して読めば僕の言いたいとこが全て伝わると思う。
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